パイプオルガンと聞くと、何を想像されますか?
楽器の王様とも呼ばれているオルガンは、確かに大きいし設置も大変だし、演奏も大変です。
ドイツ語だと、オルガンの単語が、Die Orgelと言って、女性名詞になるので、楽器の女王とも言いますが。
とにかく大きいばかりでなく、中身は繊細なんです。
温度と湿度によって、木の収縮があれば、音も変わります。
高いお金を払うなら、丈夫な楽器がほしい、と消費者は言いますが。一体丈夫な楽器であれば、それでよいのでしょうか?
オルガンに一番に求めるものは、『音』です。
大きいだけに、音の跳ね返りルートも考えなくてはいけないし、人通りの多い場所であれば、音は人に吸われてしまうので、それも考えて設計しなくてはいけません。
作り手が、一生懸命計算をして、人々の心に直球でなげかける音は、女性の心よりも繊細なのです。
大事に扱われてきたオルガンは、音が違います。
人々の心がオルガンの音となっているからです。
あまり弾かれていないオルガンは、きっとカビが中にたくさんあるはずです。
もし、そんなオルガンがあるとしたら、ぜひ職人ミヒャエルをたよってください。本物の音が眠っている場所は、きっとたくさんあると思うのです。
音は生きています。人の心に語りかけるオルガンの音が、ここニセコから生まれ、日本へ、世界へ届きますように。